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アルビノの僕らには「とりあえずアルバイト」もそう簡単ではない

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高校生や大学生になると、友達と遊ぶためや欲しい物を買うために、アルバイトをしたりする。
僕の周りの普通の友達も、当時よくあったタウンワークなんかのフリーペーパーでアルバイト情報を探し「適当に」飲食店やコンビニで働いていた。

「高校生OK!」「服装自由!」などのありふれた条件の中に、数十年前は「髪型(髪色)自由」の文字が特別に輝いて見えた。

現代でこそ外国籍のアルバイト店員は珍しくなくなったけれど、20年も昔はまだ、特に都市部以外の場所では目立っていた。
さらには「金髪(染色)は不良の象徴」であった時代。

僕はアルビノ。生まれつき髪の毛が白い日本人なのだ。
「外国人だから」でもない特殊な容姿。

「(普通の人なら)誰でもOK」なアルバイトですら、自分には条件として合っていないんだと、普通という「みんな」の中に自分はいないんだと実感した。

それでもめげずに、条件に「染髪NG」と書かれていた募集に電話をかけて「染髪ではなく生まれつき髪の毛が白いのですが」と伝え、応募してみたこともあった。
先方は少し困惑したあと「今回はごめんなさい」と断られた経験を何度かした。

日本人なのに髪も肌も異様に白く、瞳の色まで違うアルビノという存在はその認知度の低さもあって、説明しようにも伝えきれず、理解してもらえる機会もかなり少なくて、当時は本当に行き場のなさを感じていた。

それ以降「染髪OK」の登録派遣バイトで「大丈夫そうな現場」へ行かせてもらったり、人の紹介というツテを使っていくつかのアルバイトをした。
どれも長続きせず辞めてしまったのは、労働環境とか人が合わず「バイトだし続けたいとも思わないし」くらいの理由が多かったけれど。

当時から「適当に」「普通に」アルバイトするのも簡単ではない自分の境遇に、もどかしい感情を抱いていた。

「未経験者歓迎!」を掲げる求人はよく目にするけれど、そこには確実に《普通の人なら》という暗黙の条件が存在する。
そんな「誰でも良いよ」くらいの求人からこぼれ落ちる自分は、悪い意味で普通じゃないんだと自覚していった。

(全文は粕谷幸司のnoteでお読みいただけます)

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